東京で成功した写真家・猛は地方で家業を継ぐ兄、そして幼なじみの智恵子とともに懐かしい渓谷へと足をのばす。そこで起こったひとつの出来事。事故なのか、事件なのか。その出来事をめぐって、弟と兄の人生がゆれ動く……。
公開劇場が少ないというのもあり、土日は殺人的な人ごみだったので平日の夜いきました。
とりあえずの感想を書かせてもらえば「良かった!」。音楽はあの(?)カリフラワーズ、劇中内では余りBGM的なものはなく役者の素がもろに出るような演出なんだがエンディング曲も良かったなぁ。
もともと「蛇イチゴ」でかなり才能を発揮していた「西川美和」監督。作品の内容には女性監督らしさはあまり感じられませんが、表情とか内面のゆらぎ、其処個々にただよう生活感とかは女性ならではの視点だと思う。
役者に目を向ければ香川照之が圧倒的。暖かい気の良い人の内面で渦巻く葛藤を観客に「背筋が凍るような」感覚をともなってみせてくれる。香川さんの作品とかあんまり観てないが観てみようかな。オダジョーも良かったが香川さんが圧倒していたように思う。あとは木村祐一(キム兄)が良かったなぁ。あんな検察官に取り調べされたら私だったら5分で自供するな。w
作品のコアとして言いたかったのはなんだろうか?ゆれる恋愛?ゆれる兄弟?ゆれる家族?ゆれる犯罪心理?私としては橋をゆらした事に監督のメッセージがあるように感じる。橋は対岸と対岸を結ぶものであり、その間には渡らなければいけない「なにか」がある。しかし劇中に使われるのは丈夫なコンクリートでつくられた橋ではなく、木とロープで作られたつり橋である。橋を左、右にゆらし演出をする事で心情のゆれを表現すると同時に「ゆれ」にはかならず通る「中心点」があるという事ではないだろうか?
対岸と対岸、右と左、中心点からゆれる心情にこそ心の交流がある。

ジェラルド・バトラー、エミリー・モーティマーらの実力派英国俳優たちが集結した感動のドラマ。シングルマザーの母親が書いた“理想の父親”からの嘘の手紙を信じる純粋な少年・フランキーの前に、空想のはずの父親・ストレンジャーが現われる。
内容は要約に反して、かなり荒んだ話である。不幸があるがためにつかなければならなかった「嘘」。幸せになるためにつかなければならなかった「嘘」。家族を守るための「嘘」。しかしなぜだか、作中に醸し出される雰囲気は下地の黒い色を覆う明るい色がある絵のように明るい印象を受ける。苦しさというのは自分自身が醸造しているという認めがたい事実をやんわりと味わいたい時に良い作品だと思う。
しっかし、ジェラルド・バトラーいいじゃないか!もうちょっとヘナヘナ野郎だと思ってたぞ。あとエミリー・モーティマーもいい。あ、そうか俳優がいいのかも・・・。

実業家である母がサロンを仕切る郊外の大邸宅。生まれながらのブルジョアである父は、愛犬と執事を従え猟と鉄道模型に耽溺し、長男は毎日ボートに乗っているという、バラバラの家族をユーモラスに描いた人物スケッチ風コメディ。
何も特別な起こらない、それが生活の大半だろう。観ている方としては映画には非日常を求めるかも知れない。それに反して劇中は淡々とシニカルに物語は進んで行く。幸福な事も、不幸な事もちょっとずつ起きる。期待外れかと思うとそうでもない。不思議な映画だ。
最後には素敵なハッピーエンドが待っている。大団円になら無い所にオタール・イオセリアーニからのメッセージが隠れているように思う。