読書の冬です。家から出たくなくなるような寒い季節なのでミカンでも食べながら読書が楽しい。故に読書の冬。
最近、どうも自分には速読というのは向いてないと感じている。元々「本が早く読めたらいいのにな」程度なので速読だのフォトリーディングだのに投資は全然してないのでなんとも言えないのだけれどね。スルメのようにジワジワ読むのも必要だ(という言い訳)。
前置きが長くなった、今回は米原万里のオリガ・モリソヴナの反語法。
ロシア語通訳の第一人者としても、またエッセイストとしても活躍している米原万理がはじめて書いた長編小説である。第13回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した。
~中略~
物語の内容や手法からすれば、この作品は大宅壮一ノンフィクション賞作品『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の姉妹版であるといえる。しかし読み終わったあと、ときにフィクションのほうがノンフィクションよりも多くの真実を語ることができる、ということに気付くに違いない。
米原万里の本は結構読んでるつもりで、こんなに良い本を見逃しているとは不覚。以前「嘘つきアーニャの真っ赤な真実 | jigelog」として、「嘘つきアーニャ~」の感想を書いたが、上記引用のように二つは対になっている。「嘘つきアーニャ~」で出てくる人物と思われる人物もかなり散見されるし、なにより描かれる舞台が時代背景も含めて同じだ。
「嘘つきアーニャ~」は過去の友人を探すノンフィクション。「オリガ・モリソヴナ~」はノンフィクションを元にしたフィクション。なぜフィクションにしたかを文庫版だと米原万里が自身が語っている。
こうなるとどこまでがフィクションかと勘ぐりたくなるのだが、内容を読み進めるとそんな事はどうでもよくなった。どこまでが創作かというのはどちらかといえば「補填」作業に近い形で行われているような物で、時代に翻弄される人々には驚愕を通り越して悪寒が走る。
色々と感動する場面はあるのだが、最後の方にエレオノーラ・ミハイロヴナの発する「ありがとう」にはもう…。個々人ではどうにもならないような時代に巻き込まれてしまったのは登場人物全員であるという事全て凝縮されているような一言にぶちのめされる。
是非読んで欲しい。「嘘つきアーニャ~」が好きな人は読むべき。